関根准教授のメッセージ
ようこそ関根研究室のホームページへ!
関根研究室は2024年に発足しました。当研究室では、有機材料のもつ軽くて柔らかい特長を活かした、これまでにない新しい電子デバイスの創生に取り組んでいます。
現在、我々が取り組んでいるのは、ウェアラブルやインプラントといったヒトやロボットに貼り付けたり埋め込んで使用できる薄膜型のセンサデバイスの作製に取り組んでいます。これらはデジタルスキンと呼ばれるヒトの優れた皮膚機能を再現し模倣した高機能性デバイスです。これによりヒトの皮膚機能をさらに高度に拡張したり、ロボットがヒトと同等またはそれ以上の皮膚機能を取得することができます。また、これらを最先端AI技術と組みあわせることで、触覚や知覚機能の自動化を実現できる未来テクノロジーを構築できます。
研究室では、20名を超える学生が所属しており、それぞれ魅力ある特色を有する研究テーマを推進しています。これらに関わる研究テーマは材料科学や電子デバイス工学、プロセス工学やロボット、AIと多岐にわたります。材料設計や実験、シミュレーションとディスカッションを密に行い、既存の研究分野を超えた新しい研究領域の開拓に挑戦しています。
今後の関根研究室の展開にどうぞご期待下さい。
研究テーマのご紹介
ヒトの皮膚機能を再現できるデジタルスキンの開発
ヒトの皮膚にはさわったものを的確に識別できる優れた検出機構が備わっています。本テーマでは、有機材料からなる柔らかくしなやかな触覚センサを作製し、この機能を高度に再現することを目指します。これまで検出に成功した物理的パラメータは圧力・温度・湿度・加速度など多岐に渡ります。これらのセンサをワンチップ基板上に集積することでマルチモーダルな触覚を有するデジタルスキンデバイスとして開発し、ソフトロボットなどのオートノミー(自律)化に貢献します。
緻密に設計された有機材料の機能性開拓
低分子・高分子などのさまざまな材料の化学的・機械的・電気的特長に着目し、これまでにない新機能の発現を有機複合材料の領域で目指します。とくに、多種材料におけるミクロ界面の精密設計に立脚した材料配合論を推進し、魅力ある機能性と薄膜成膜性を兼ね備えた有機複合材料を開発します。たとえば触るだけで電気を発生するプラスチックや、電気が流れるゴムなど一見すると矛盾するような魅力ある性質を探索し、有機電子デバイスへと展開することで、新しい材料科学の学問領域を追究します。
オンデマンドプロセスである印刷法の開発と応用
サステナブルな有機電子デバイスの作製プロセスのひとつに印刷法があります。これは、溶液(インク)化された材料を塗布するだけでデバイスを構築できる省材料・省エネルギーな次世代技術です。本テーマでは、スクリーン印刷法やインクジェット印刷法などを駆使しながら、薄くて軽いフレキシブルデバイスの作製とそのプロセス最適化を行っています。また、当研究で開発したさまざまな複合材料の印刷法への展開可能性についても、高性能化と低環境負荷の両面から探求します。
情報工学との融合による新しいインテリジェント・ソフトロボットシステム
センサやトランジスタなどの有機電子デバイスと、そこから得られたデジタル信号のAI処理技術からなる新しい情報検出・解析システムの創出を目指します。本テーマでは、ロボットやヘルスケアなどの応用領域において、ウェアラブル(貼り付け型)・インプランタブル(埋め込み型)な有機電子デバイスを用いてリアルタイムに検出したさまざまな信号がもつ意味をAIを用いて解析し、効率的な利活用方法とその意義を探求します。また、通信機能をもつフレキシブルデバイス開発にも取り組んでいます。