低分子・高分子などのさまざまな材料の化学的・機械的・電気的特長に着目し、これまでにない新機能の発現を有機複合材料の領域で目指します。とくに、多種材料におけるミクロ界面の精密設計に立脚した材料配合論を推進し、魅力ある機能性と薄膜成膜性を兼ね備えた有機複合材料を開発します。たとえば触ると発電するプラスチックや、電気が流れるゴムなど一見すると矛盾するような魅力ある性質を探索することで、新しい材料科学の学問領域を追究します。


ヒトの皮膚にはさわったものを的確に識別できる優れた検出機構が備わっています。本テーマでは、有機材料からなる柔らかくしなやかな触覚センサを作製し、この機能を高度に再現することを目指します。これまで検出に成功した物理的パラメータは圧力・温度・湿度・加速度など多岐に渡ります。これらのセンサをワンチップ基板上に集積することでマルチモーダルな触覚を有するデジタルスキンデバイス(ヒトの皮膚と同じ柔らかさと触覚機能をもつ電子人工皮膚型エレクトロニクス)として開発し、ソフトロボットなどのオートノミー(自律)化に貢献します。
デジタルスキンデバイスから得られた触覚信号をAIで解析し、新しい情報検出・解析システムの創出を目指します。本テーマでは、ロボットやヘルスケアなどの応用領域において、ウェアラブル(貼り付け型)・インプランタブル(埋め込み型)な有機電子デバイスを用いてリアルタイムに信号を検出し、その効率的な利活用方法を探求します。


サスティナブルな有機電子デバイスの作製プロセスのひとつに印刷法があります。これは、溶液(インク)化された材料を塗布してデバイスを構築できる省材料・省エネルギーな次世代技術です。本テーマでは、さまざまな印刷法を駆使しながら、薄くて軽いフレキシブルデバイスの作製とそのプロセス最適化を行います。また、電子デバイス自体をインクまで戻すリサイクルプロセスの探索も同時に行い、高性能化と低環境負荷の可能性を探求します。